2009年7月8日水曜日

第2種放射線取扱主任者講習

をひょんなことから受けることにした。

講習会の初日となる本日は、水曜日。夏休みの折り返し点だ。
思えば、放射線取扱主任者試験を受けたのは7年も前のこと。この試験は、試験に合格しても、講習を受けて実技をこなさないと、免状が貰えない。当時は、確か当時の東海村長堀のあたりまで出掛けないと講習会が受けられなかった様に記憶している。

夏休みをニューカレドニアくんだりまで行って、ひねもす試験勉強していたことが思い起こされる。それほど、勉強したのに、1種には受からなかった。で、"青春をこれ以上費やすのはもう嫌だぁ"って2種を取ったところで、放ってしまっていたのだ。

それが、今頃、ひょんなきっかけで...。
先週、ホームページを見てみると、第5回目の講習が今週あることが分かり、申し込んでみた。大急ぎで写真を撮ったり、受験申請書を作ったり...、優しい職員の方が対応してくれて、受講が可能になったのだが、今日からの講習案内が届いたのは、実に昨日。

関数電卓が要る、ってんで早起きして会社に立ち寄り、電卓を抱えて会場に向かったのだぁ。場所は、都営三田線の白山駅に近い(財)原子力安全技術センター。
今回講習に集まったのは、15名。普段は36名ほどだそうなので、1/2に満たない。でも20名くらいがやりやすいのだそうだ。

さて、講習1日目の内容は...、
先ず、軽い質問が講師から飛ぶ。7年も前で復習して無いもんだから、いきなり分からないぞぉ。
曰く「α線は、空気中に飛び出したらどうなりますかぁ?」
曰く「β線は、どこから出てきますかぁ?」
曰く「NaI(Tl)のタリウムは何で入っていますかぁ?」

それぞれ答えは、ヘリウムガス、中性子(n→p+e(-)+υ(-))、アクチベータとして可視発光させるため、てな具合になる。
*.「β-壊変で中性子が陽子と電子と反ニュートリノになって原子番号が1大きくなる」、なんて話は、記憶のはるか彼方にしまい忘れられている。

こんな調子だから、講習の内容も結構難しく感じてしまうのだぁ。講師の人たちが優しく手取り足取り教えてくれるので、何とか講義にも付いていける感じだが、初日から大変だ。

午後は、3種の実習+レポート試験。提出課題は、コバルト60を用いた1cm線量当量率の測定と得られた結果の考察だ。

3種の実習は、以下の通り。
 1)サーベイメータの特性実習
 2)γ線の遮蔽実習
 3)1cm線量当量率の測定

提出課題を簡単に紹介すると以下の様になるのさぁ。
 (間違っているかも知れないしぃ、模範解答では無ぁいので、参考まで)
1)使用線源の数量計算
 Q=Q0×e^(-λ×t)
 Q:求める当日の数量(MBq)
 Q0:検定日の数量(MBq)
 λ:壊変定数 0.693/T (60Coの半減期は5.271年)
 t:経過日数
 2006年3月22日に74MBqだったので、本日までに1203日経過し、48MBq

2)線量当量率への変換
 D=Γ×Q/d^2
 D:線量率(μSv/h)
 Q:本日の数量(MBq)
 Γ:1cm線量当量率定数:(0.354μSv/h/MBq・m^2)
 d:線源からの距離(m)
 で、計算すると
 1m線量当量率は、16.98μSv/h
 5m線量当量率は、0.68μSv/h

3)GM計数管式サーベイメータを使って線量当量率の測定
 a.コバルト60から少しづつ距離を変えたときの測定値を二人で測った値を平均---①
 b.あらかじめ測っておいたバックグランド値を①から引く---②
 c.校正定数(コバルト60の一次線をCsで校正した値として0.8を設定)を②に積算---③
 d.③により得られた線量当量率を両対数グラフにプロット。
 で、グラフに書いてみると、計算値よりも実測線量は大きいが、ほぼ距離の自乗則に反比例したリニアな線が引ける。

4)境界線の算出
 線源の使用時間を40h/週として常時立入場所境界線と管理区域境界線を求める。
 a.常時立入場所境界線(1MsV/w):1mSv/w→25μSv/h 実測グラフから求めると90cm程度だった。
 b.管理区域境界線(1.3mSv/3月):1.3mSv/3月→2.5μSv/h 実測グラフから求めると2.9m程度だった。
 *.3ヶ月を13週として計算

5)考察
 ①グラフから実測値も距離の自乗に反比例する様子が分かるので、自乗則に従うとする考え方は正しい。
 ②実測値が理論値よりも大きな線量を得るひとつの理由は、γ線の散乱線の寄与が考えられ、距離が遠くなるほど散乱線を検知する割合が高くなるためと考えられる。
 ③測定に用いたGM計数管式サーベイメータは、コバルト60の一次線のみでエネルギー校正されているが、多重散乱による低エネルギー側での校正がされていない。このことも実測値が大きく観測される理由のひとつと考えられる。

提出課題のレポート内容は、以上のような按配だ。おんなじこと書いて試験に通らなくても、某を責めない様にぃ...。

さて、気になる講習費用だが、これがなんと、¥112,500なり。住民票を取ったり、写真を撮ったり、収入印紙に郵送代に交通費...。もろもろ含めると12万円近い。
仕事に使うことが目的ではないので、今回は自腹。僅かばかりでも、ボーナスが出たおかげで、今回は凌げそうだ。

松葉杖を使いながらも、何とか講習も受けられるようになって、あと二日がんばれそうかな。
めでとし、めでとし。

0 件のコメント: