2009年10月2日金曜日

桑姫の納棺式

に出させていただいた。

聖路加病院の地下に霊安室があって、姫はそこにいた。
姫が食べたがっていたと言うサンドイッチとコーヒーが旦那さんによって供えられて、そこにいた。
親族に混じって、かつて、姫が勤めていた時の近しい友人が僅かばかり集まってきて、私たち夫婦も参列させていただいた。妹さんによれば、一週間ほど前から反応が無くなってきて、最期は家族に看取られながら静かに逝ったのだと言う。大の仲良しだった妹さんの表情を真正面から見るのは辛い。

数々のお守りと棺におさまってしまった。



重い空気の霊安室にあって、転んで見せると大人達が笑うのを見て、何度も何度も転んでみせる姫の子供たち。自分たちのアクションが受けるのが嬉しいらしく、はしゃっぎぱなし。
「ママ、冷たいよ。」「ママ、死んじゃったの?」との子供たちに、「もう帰ってこないけれど、二人のそばで見守ってくれているから大丈夫だよ。」と旦那さんが諭す。でも、二人の息子たちには、人の死と言うものが、どんなものなのか、実感として感じ取れていない様子があるが、実は彼らには姫がもっと近い存在として認識されているのかも知れない。

私は、父親が亡くなった時、悲しくは無かった。薄情と言えばそれまでだが、生きているとか死んでいるとか、そういう次元では無い存在感を父親に感じていた気がする。
二人の子供たちにも、今手を取り合ってぬくもりを伝え合うことは出来ないが、母という姫の存在を生前と同じように感じ続けて欲しいと願う。

納棺式が終わり、生前の姫の話を聞く機会があった。どうやら、姫は、"徹底的にやる"、"色々やる"、"真面目にやる"と言う見事な心情があったらしく、どう想像しても体がもたない生活をしていた節がある。傍から見るよりもはるかに太い人生を歩んでいたようだ。"善行多くして命短く、美人薄命"を地で行ってしまった姫に改めて敬服の念とともにご冥福を祈りたい。

合掌。

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