2010年8月31日火曜日

白水政昭さんご逝去

の知らせが届いた。
朝、会社に出ようとしている頃にご婦人からの電話であった。

白水家は、福岡に下宿をしていた頃に随分と世話になった名家である。元は、小作人を敷地内の長屋に住まわせていた庄屋さんで屋敷には玉砂利が敷かれ、大きな蔵があったのを思い出す。

嘗ては、親父様と単車二台と引越しの荷物を積んで、その長屋の一つを借り受けるために旅したこともある。その親父様が在学中に他界した折には、この大家さんに旅銭を借りて帰省したことも思い出される。

初めて引越しの荷物を持ち込んだ折にも、蔵の前の庇を二台の単車のために空けていただき、更に持ち込んだ車にも、「それも必要で御座いましょう」と微笑みながら迎えてくださったご婦人。
蔵には、旋盤、ボール盤、グラインダーと工作道具が綺麗に並び、親父様が感心しつつも羨ましがっておったのも色鮮やかに想い起こされるのう。

突然の訃報に、気の効いた台詞も言えず、告別式の場所も聞くことを忘れ、なんとなしに電話を切ってしもうた。"大家と店子と言えば、親子も同然"とは言いながらも、直ぐに発つこともせず...。

気持ちが落ち着いても着たので、遠くない将来に遅ればせながらもご焼香に参じねばなるまい。

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