グランプリ出版の年代記にして、戦前のそれこそ自動車発祥の頃から、軽自動車規格が出来る前の混沌とした世の中に出現した小型・軽トラックを中心に話題が展開する本であってのう。
↑コンパクトカーやトラック好きには堪らぬ魅力満載の内容でのう。
なにより、手が掛かっておるのは、ほとんどの紹介されておる車の諸要元が記されておるところであろう。全長・全幅・車重は言うに及ばず、エンジン形式・馬力・トルクまでが詳細に記されておる。
読み進むなら年代の移ろいと共にオート三輪や荷運びに徹しておった車たちがどんどんと乗用車然としたものに近付いていく。仕事環境として快適な空間を手に入れていくのは、至極当然のことであるが、段々と趣味の車から離れていってしまうのが少々寂しげであるのう。
初期においては、小さなトラック類といえども、決して安価なものではなく、代用になるやオートバイも合った時代。その頃のユーザーは、少なからずマニア性を抱えつつこうした車を選択しておったのであろう。
それが、大衆化・一般化するにしたがい、トラック類も大衆車・一般車への歩みをより大きくしたとも取れよう。
楽しく乗るのであれば、必ずしも床が囲まれている必要は無く、エンジンや操作にも、もっと個性や特徴があって然るべし、と感じてしまうのう。1950年代までの小型車の何と魅力的なことか。今となっては、これらの車を楽しむべくも無いが、想像するだけでも楽しいのう。
めでとし、めでとし。
0 件のコメント:
コメントを投稿