2011年8月28日日曜日

ほんとうの復興

なる本を読んでみたんである。

養老孟司氏の作品は、妻にとっての愛読書でもある。今回は早稲田大学の昆虫学者の池田清彦氏との対談を交えての言いたい放題、書きたい放題(ご本人にとってはきっと、"ほんの僅かしか"、と言う感じなのであろうが)なんである。

話題は、震災、福島原発事故を皮切りにして、今後の対応策、日本のエネルギー政策への提言で結ばれておる。




この本の中で要旨となるのは、"分散"であろう。
リスクヘッジと言う言葉があるが、これも意味するところは、"分散"に似ておる。嘗て、複数の柱があれば安泰と"経営の多角化"が叫ばれた時代があったが、現在ではリソースの無駄使い合理化の名の元、"選択と集中"と言われる流れに替わってきておろう。

彼らは、ここで、もう一度、"分散"・"多角化"・"選択"を提唱しておる様子。"分散"と"多角化"は、住まいとエネルギーの分散について述べておって、これは単なる代替エネルギーの開発ではなく、場所を散らすことが肝要としておる。

確かに、別荘を持っておるならば、本拠に災難があった折にはバックアップとしての機能も期待できよう。田舎のある人なれば、それが心の支えとなる瞬間も多かろう。

そして、今ひとつは、エネルギー。風力や太陽光発電をこき下ろし、本気で新エネルギー開発に本腰を入れるべきと述べておる。そしてもう一つ、省エネルギー文化への切替についての言及もある。

風力発電や太陽光発電を頭ごなしに否定する気は無いが、通常電力に使用するためには、今一段二段の技術革新が必要なことは明らかであろう。なれど、弱電利用には、送電コストも掛からず、都合の良いアプリケーションも多い。地熱利用や小水力発電も大いに結構。

こうした小口電力やエネルギー利用を促進するためには、スマートグリッドも一つの手立てではあろうが、家庭用電力の複数化というプラットフォームも一つの方法であろう。
家庭用電力消費の7%以上とも言われる待機電力の要因の一つにはACアダプタもあろう。即ちAC-DC変換の効率の低さも一つの問題であろう。

洗濯機、電子レンジ、炊飯器、冷蔵庫...大電力を用いるものには、従来どおりAC100Vを。
テレビ、電燈、ステレオ、PC、セキュリティーシステム...、省電力で良い物には、DC系電源を。このDC系電源には、簡単な蓄電装置(バッテリー)と自家発優先の商用電力とあわせた充電系統を用意するも良かろう。少々効率が悪くとも、小さな力を発揮し易くすることも、取り入れられて良かろう。

さて、そうは言うものの、エネルギーを追うのは、人の性、更に言えば、生き物の性、とも言えよう。多くの植物は、太陽を光を求めて枝葉を伸ばし、水を求めて大地に根を張る。
動物は、自らの体内で燃焼させてエネルギーを取り出すための餌を捉えることに必死である。いわんや人をして、である。古来、火の扱いに始まり、人の生活は、静かに深くエネルギー欲に支配されて来たと言っても過言ではなかろう。

その欲求は、睡眠欲、食欲、性欲を遥かに超えて、数多の戦争を引き起こしてきた史実にも現れておろう。その欲求が、生物としての根源であって、無くせないものであるならば、なおさらの事、その欲求をコントロールする術を教育の現場と文化の啓蒙と言う点から図ることも有益であろう。

楽しくも、色々と考えさせられる有益な本であったのう。
めでとし、めでとし。

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