なる本を読んでのう。
著者は、"坂口恭平"氏。
先日、テレビに出ているのを何気無しに眺めておって、興味が湧いてのう。
聞かば、ホームセンタにある材料を使うて、数万円で出来上がるモバイルハウスを作り、路上生活者でも安心して住める住まいを提供しようと言うプランがあったり、安心して住める土地を提供するために、独立国家としてモバイルハウスを停泊できる土地を供給しようと言うプランがあったり。
個人・自治体からも賛同者がそこそこあり、全国に飛び地が出来ておるらしい。これらは、新政府の領土として拡大を続けておるらしい。
人に説明するとなると、なにやら、胡散臭げに聞こえる内容ではあるが、本人の話す内容を聞いておったら、何処と無く共感できそうな心持となる部分があってのう。
して、著書を読んでみる気分となったんである。
本の内容は、東京と言う都市において、一人一文無しで放っぽり出されても生きてゆけるのだよ、と言う内容なんであるが、行間に漂う雰囲気に、これまでの経験と重なる部分を感じてのう。
例えば、住まいを例に取れば、それは、子供の頃に木々の合い間につくった秘密基地であったり、平日は寝るためだけに帰り、週末ごとに旅に出てしまう会社の寮という名のねぐらだったり、旅先で調達するバス停と言う名のバンガローだったり...。
例えば、道具に例をとれば、あらゆる道具は、身共自身に使い易くなるよう手が入れられておったり。無い道具も、何か代用できるものは無かろうかと、我が身を見回す習慣があったり...。
身共若かりし頃、"君はどこでも生きていける"といわれる機会が少なからずあったのを思い出すのう。近年のポンコツ加減では、マイクロ波治療器のある我が家から離れるのは不安が多く、夜冷えの中にあっては身を休めることも儘ならぬ体となり、ノスタルジーに浸りつつ読み終えた次第。
今の身共に彼が勧める"都市型狩猟採集生活"を実践する気持ちも体力も無いが、週末毎に鉄の精馬を繰り出し、大地と青空との全てを手中に納めた気になって頃が懐かしく感じてならぬ。
めでとし、めでとし。
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