2011年4月21日木曜日

被曝許容限度

について、少し解説するも良かろう。

電離放射線障害防止規則による管理区域の規定によれば、管理区域は、1.3mSv/3ヶ月 ⇒ 100μSv/週となる。
これを1週間に何日あたり、1日に何時間あたり、と言うマトリクスとするならば、以下の表のようになろう。


一方、職業人の被曝限度は、20mSv/年 ⇒ 383.6μSv/週である。これを同様のマトリクスに展開するならば、以下の如き数値となる。

管理区域の概ね4倍と言った数値となろう。週5日間8時間被曝ならば10μSv/hに満たぬことが分かろう。

また、一般人の被曝限度とされる公衆被曝限度は、1mSv/年 ⇒ 19.2μSv/週となる。これも同様にマトリクス化するならば、以下の数値となる。

週7日屋外被曝10時間程度を見積もれば、0.3μSv/hに満たぬほどの線量となろう。
そして、公衆被曝の前提なれば、多くは線源に近付くことなくの被曝であろうから、屋内外の別なく週7日間24時間被曝を考えるべきかも知れぬ。この場合には、許容線量は0.1μSv/hほどになってしまおう。
この値は、サーベイメータを用いてもバックグランドに埋もれてしまうほどのものよのう。

では、全く余裕が無いかというとそういうものでもないんである。

国内法の拠り所となる放射線障害防止規則には、
明言されておらねども、引き合いに出される数値としてICRP2007年勧告によるものもがあろう。

ここでも、曖昧さは残るものの、緊急時における公衆被曝の限度が20-100mSvとして示されておる。
例えば、こちらの記載によれば、

「この具体例のうち、介入レベルとして、ヨウ素剤投与による予防では甲状腺に対し50~500 mSv、
屋内退避では5~50 mSv/2 日間、一時的な避難では1 週間未満で50~500 mSv、恒久的な移住では初年度に100 mSv 又は1000 mSv がそれぞれ示されている。

緊急事象の発生における典型的な参考レベルは20 mSv から100 mSv の範囲で設定され、防護活動計画の策定にあたっては、この線量を超えない戦略を立案すべきであり、この線量を上回る戦略は除外すべきであるとしている。」

しかしながら、これらにても国内法に適用するか否かは検討中の値であり、今現在の状況で検討するならば、やはり1mSv/年が公衆被曝の限度となるとして公表するが適当であろう。が、国際的な検討数値とはかなり乖離を残したままであることを合わせて伝うる必要を感じるのう。

ICRP勧告に相当する職業被曝を前提に考えても安全マージンは十分に見積もられておるため、直ちに0.1μSv/hの値に杞憂する必要は無かろう。被災地の屋外で遊ばせる子供達や活動される方々への外出制限等を指示する際には、論拠として、示して欲しいものであろう。

バックデータに基づかぬ指示にこそ、人々は不安がろう。
全く困ったもんである。

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