に関して思うことを綴ろうと思う。
1.先ず、風楽法師は、東電を応援しておるぞ。
この非常事態の中、東電、東芝の皆さんが非常時被曝限度を250mSvにも引き上げられた中を文字通り懸命に取り組んでいる姿は想像に難くない。
核種こそ異なれども、身共らもSr、Pm、Kr、X線を扱う仲間として、対岸の火事とも言い切れぬ想いが込み上げて参ろう。そんな中、少しでも停電を回避しようとして計画停電に至らずに済んでいる事態を捉えて、"計画不履行"なぞと申す輩とそれを映して流してしまうマスコミには、悲痛さを感じずにはおられぬ。
これには、"計画"と言う言葉の響きに拠るところも有ろう。真面目一本な日本人は、計画と聞いた途端に履行すべきものと捉えてしまうきらいもあろう。
なれば、提案したい。"不確定性計画停電"若しくは、"非確定計画停電"と言う呼称は如何だろうか。
2.人体への影響について
身共らも日々、フィルムバッジを着装して仕事に勤しんでおる身なれば、連日流れる線量の値も気になるところである。正直、ニュースから流れる値は、身共らが通常、遮蔽を施して測定する値を元に考えれば、十分にビビる数値であろう。
なれど、それは、法律を守るための数値でもあり、実際の人体への影響度を考えると、少々視点が異なったりするのも事実であろうか。
念のため、少々復習をしておくも良かろう。
1)等価線量限度と実効線量限度
あまり知られてはおらぬ様に感じるが、職業人とパンピーではそれぞれ線量限度が異なる。
職業被曝では、20mSv/年の線量限度が設定されておる。
公衆被曝では1mSv/年となれば、例えば1,000μSv/hの報道があったが、この状態で1時間被曝すれば、この限度となろう。1時間程度なればどうという事は無いが、20時間被曝するならば、職業人と同等の限度になってしまおう。
2)被曝限度
職業被曝のうちでも、緊急作業時は100mSv/年が設定される。
これが今回審議会を経て厚労省のお達しにより250mSv/年に引き上げられたのである。
3)急性障害の種類と死亡
さて、この250mSvとはどういう値であろうか。
下表に有るように"ほとんど臨床症状なし"と言われる言わば"限度いっぱい"の値として想定されておる数字であろう。
"ほとんど"と言うのは、"少しは異なる"と同義であり、急性障害は無くとも晩発障害の確率が高まることは想像に難くなかろう。
4)防護材
そんな危ない状態に丸腰で入って行くわけにもならねば、世の中には、防護材なるものが存在する。
化学防護材の役割は、"第一次的にイオン化された分子に作用して、引き続いて起こる化学変化量を減少させる"もので、被曝前に投与されている必要があろう。
四半世紀前に習ったときには、MEA(mercaptoethylamin)、AET(aminoetylthiuronium)、5HT(5-hydroxytryptamine)なぞと言う正体も分からぬ物質が挙げられておった。
最近では、SH化合物(システイン,システアミン,シスタミン,グルタチオン,メルカプトグアジン,ジメチルスルホキシド)で放射線の間接作用が軽減されると習うたのう。但し、いずれも副作用が強いらしい。
また、137Iに対する安定剤としてヨウ化カリウム剤も近年は配備されておると聞く。
そう言えばと、暫く使っておらなんだ小林製薬の"のどぬ~るスプレー"の成分表を眺めてみるならば、タップリとヨウ化カリウムが入っておる。
テレビではデマ情報としてうがい薬に効果が無いと報道されておるが、100ml中に1gも入っておるならば必要量は2-3本で摂取できる計算となろう。
それならばと、買い求めに出掛けたのだが、成分が変わっておる!
↑のどぬ~るスプレーBとのどぬ~るすプレーA
富山小林製薬の"のどぬ~るスプレーA"には、タップリとヨウ化カリウムが入っておるのに、先ほど買ったばかりの"のどぬ~るスプレーB"はヨウ化カリウムがその他の添加物に成り下がっておる。
なるほど、これではデマと報道されても仕方無かろう。これはこれで、普通の喉薬として活躍してもらおうかのう。
3.シールドルーム
身共が普段関わるのは、X線。近年、大線量を扱うようになり、シールドルーム内に機器を設置しての試験を行のうておる。
シールドルームは、分厚く、頑丈なステンレス板に覆われておるのだが、ふと気が付くとなにやらぐらついておって、柱の一部が浮いておる。
あちこちを覗いて原因を探るなら、シールドルームを支える床面の縁に板材が潜り込んでおるではないか。厚さ5cmほどの板材が大きく重いシールドルームに潜り込んだと言うことは、それ以上に浮き上がったことを意味しよう。
原発事故には比較にもならぬが、あの時の揺れは、職場にあっても、決して馬鹿にできぬ力を持っていたのだと改めて感じ入った次第。良くこの程度の障害で収まったものである。
4. 風評被害
放射線を何か細菌や病気のように考えておられる方がおるようだが、これは、全くの別物であることも周知が必要であろう。
放射線によって障害や病気が引き起こされることはあろうが、放射線そのものに細菌性の特性があるわけではない。付着した放射性物質は、拭取ったり、洗い流したりして"除染"が十分に可能であるし、体内に吸い込んだ物質があっても、相当量の核種を飲み込んだりと言うのでなければ、本人から外に漏れ出すほどのことは無かろう。
何より、体外に放出できるほどの相当量を体に蓄えた瞬間に急性障害によって死亡してしまおう。"ゾンビ化した被曝者がうろつきまわる"なぞと言う心配は杞憂であろう。
何より、"被曝"と"被爆"を混同されとる信憑性の低い内容を鵜呑みにするのはまずかろう。
頑張る日本を応援しようぞ。
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