2008年1月18日金曜日

サイバロイドvsバイオノイド

バトルスターギャラクティカの話題から、妄想してしまった。

1.人類の生き残りのバイオノイドは、その数300人足らずと、とても少ない。その少ない生き残りの中から、アンドロイドのような支配者に生贄を提供しなければならなかった。そして、その生贄は、支配者によって一方的に選ばれれるのだが、繁殖直後の賢い女性であることが多かった。生贄を差し出さなければ、支配者達は、生き残りのバイオノイドを襲うに違いない。

2.様々な環境変化や疾病を迎え撃つため、人類は自らの遺伝子を操作し、バイオノイドとして生きながらえる道を選び、自己進化を繰り返してきた。この進化の中で長寿を選択する代わりに繁殖力を犠牲にしてきた。このため、支配者への生贄がこのまま続けば、やがて人類は絶えてしまう。支配者への生贄の悲しみを引き摺らないために、古い過去を忘れる方が、幸せに生きられることを経験的に学んだ人類は2代を超えるほどの記憶を保持しない文化を築いていた。

3.このため、人類は自分達と支配者がどの様にして支配者と生贄の関係になったのか、そのの記憶を忘れて過ごしてきた。しかしいつも、支配者には、恐怖に似た畏怖を持っていた。そして、僅かづつだが、確実に減っていく仲間の数に自らの絶滅の危機を感じた人類は、いつしか支配者への敵対心を抱くようになっていた。やがて、生贄を差し出すことに抵抗する蜂起が発生した。この敵対的な対応に支配者達は、バイオノイドの撲滅計画を実行に移したのだ。

4.バイオノイドたちは抵抗を試みた。独自の進化を果たしたバイオノイドの智恵と耐性は、以外にも支配者達のそれを上回り、支配者達を徐々に追い詰めていった。支配者に対する敵対心はあるものの、バイオノイドの本能は支配者の消滅と共に深い悲しみの感情を抱くのだった。

5.最後の支配者を消滅させ、彼らの文化遺産を目の当たりにしたとき、バイオノイド達は、彼らに抱いていた畏怖と敵対心の理由を知った。支配者達はバイオノイドの創造者だったのだ。劣悪化していく環境や新たな疾病への打開策として、人類は、バイオノイドに高度の人工知能と繁殖力を与え、シミュレートを行っていたのだ。その結果、バイオノイドたちは、かつて人類が辿ったのと同様に戦争の歴史を作り始めてしまった。

6.自分達の身の安全と新たなバイオノイドの発展をシミュレートするため人類は、バイオノイドの繁殖力を抑え、記憶の保持制限したのだった。その一方で、創造者たる人類は、自らの記憶と智恵をサイボットに融合・移植し、本来の肉体を捨てた。サイバロイドとしてその存在を継続させる道を選んでいたのだ。

7.サイバロイドとしての人類は、新たな個性を持った個体を増やすことができなくなっていた。また、電脳化されてからは、創造性が無くなってしまったわけではないものの、革新的な進歩を得られなくなってしまっていた。この打開策が、優秀な人工知能を持った個体を選び出し、その個性を自分達の新たな個性として組み込むことで存在の継続性を得ることだった。即ち、バイオノイドの生贄である。

8.バイオノイド達には、その本能に創造者に対する畏怖の念を刻むこと、自らの命についての概念を消去することで、幸せな情報餌として生きていける様、操作していた。しかし、人工知能が自我を取得する過程ではニューラルネットの突然変異とも呼べる現象が必要であった。このために、稀に創造者達が消した記憶や概念にアクセスできる個体ができてしまった。こうしたアンロッカーと呼ばれる個体は、たびたび支配者により排除されてきた。しかし、排除前に繁殖した個体たちは、僅かづつその記憶の奥に、自分達が人類のモルモットとして創造された不完全体である事を蓄積していった。やがて支配者への敵対心と種の存亡の危機を感じるような個体が大勢を占める様になってしまったのだった。

9.神が創りし人類は、自らはその肉体を捨ててサイバロイドとなりながら、新たな人類バイオノイドを作ってしまった。サイバロイドとしての人類の末裔は、その創造物たるバイオノイドの手によって滅ぼされてしまったのである。

10.残されたバイオノイド達は、サイバロイドが自分達の創造者であることを知った。そして生贄と思っていた仲間達は、その個性において創造者の血肉となって生き続けていた事を理解し、嘆き悔やんだ。もはや多くのサイバロイドは自分達バイオノイドの個性との融合体だったのだ。

11.やがて、サイバロイドの遺産から、バイオノイドたちのDNAがかつての人類のそれを模して作られていたことを知った彼らは、創造主たる人類の再生を試みるのだが...。

誰か、こんなストーリーの小説とか書いてくれないかなぁ...。

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