なる本を読んでのう。
"日本のエネルギー問題を解決する⑮のポイント"なるサブタイトルが付けられたそれは、これまで見聞きしておった内容に比べて、エネルギー問題の切迫している様子を更に詳細・克明に示すものであってのう。
身共らは、シェールガスや各種の自然エネルギーの開発に加え、原子力発電があらば、当面のエネルギー問題は何とかなろうと考えておった。が、エネルギー収支と言う視点に立つならば、埋蔵された資源が多くとも可採量が少なければ、エネルギーの抽出にまた多くのエネルギーを使わねばならず、エネルギー収支が悪化することが記されておる。
石油系の資源は、副産物としての食料、薬品、樹脂材料等々が多く産出されるが故に、燃料以外に多くの使い道があり、これらは原子力をはじめ、水力発電や太陽光発電では賄いきれぬ部分でもあろう。
そして、一般にはあまり知られておらぬが、40ドル/kg以下の天然ウランの可採年数は30年程と短く、原子力発電を復活したにしても、プルサーマルリアクタや高速増殖炉が頓挫したままでは、望みは薄かろう。
して、筆者なる"大久保泰邦"氏と"石井吉徳"氏はタイトルの低エネルギー社会化することで持続可能な世とすることを提言しておる。
身共も筆者らの批判の的となる"技術至上主義"に近い立場なれど、賭けとなる技術開発は進ませながらも、低エネルギー化の道についても手堅く進ませてゆかねばならぬのであろう。
身共らは、良い時代に生きておると感じるが、将来の世代にも同様に思える世の中にしてゆきたいものであるのう。
多くの人にお勧めしたい良書であろう。
めでとし、めでとし。
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